新聞コンクールの審査会にゲストが訪問!(9/30更新)

 安来市立荒島小学校6年生が、四隅突出型墳丘墓や前方後方墳など全国に誇る地域資源である荒島地区の墳墓群を学習し、夏休みの課題として新聞紙1ページにまとめる新聞づくりコンクールの審査会が25日(水)午後同校で開催され、最優秀賞1点、優秀賞8点などが決まりました。10月26日(土)から27日(日)に荒島交流センターで開かれるふるさと祭り会場に展示されます。
 審査会には、宍道審査委員長をはじめ同校から小松原教頭先生、荒島地区活性化推進協議会から佐々木碩俊副会長らが参加。全体の構成や記事の内容、見出し、写真やイラスト、地図やグラフ、題号のユニークさなどをポイントに審査に当たりました。
 宍道委員長は「現地見学後に自分で丹念に参考書を調べ、それが紙面づくりに活かされている。分かり易いカットも多く、ていねいな作りで優劣をつけるのが難しかった」と評されていました。
 このコンクールは平成26年からスタイルを変えながら毎年開催。『親子で古代出雲の荒島を歩こう』の著者でもある元島根県教育庁埋蔵文化財課長の宍道正年さん(松江市在住)の指導により、1学期に児童32人が教室での古代史学習を行い、実地学習として宮山墳墓群、古代出雲王陵の丘を探検。「学習のまとめ」として、1人ひとりが企画立案して新聞紙1ページを仕上げるコンクールです。山陰中央新報社からNIE担当記者を招き、新聞づくりの基礎も学びました。全員の作品を第8回しまね小中学生新聞コンクールに出品します。

また、この審査会に併せ、文部科学省の交換留学生としてフランス・パリ大学(東アジア研究所博士課程)から来日し、東京大学(文化資源学研究専攻)に学ぶ若い女性が来町。古墳と歴史新聞コンクールの模様も見学し、「荒島の取り組みは、スゴイですね!」と感想を述べていました。
 仏マルセーユ生まれのアキアン・ミリアムさん(28)。全国主要遺跡の保存と住民が主役となった活用策の在り方などを研究テーマに、各地を訪れて保存活用に携わる人たちとの聴き取り調査を続けています。
 この日、ミリアムさんは高速道路建設に伴い壊される運命にあったものの、貴重な古墳だとしてトンネル掘削工事に変更され破壊を免れた塩津山1号墳(久白町)に登りました。地元住民の手で定期的な草刈りや雑木伐採ボランティア、説明資料や感想ノート設置といった見学者向けの手厚いもてなしに感心し、秋晴れの秀峰大山の景観を楽しんだ後、古代出雲王陵の丘にも足を運びました。
 午後からは、荒島小学校での歴史新聞コンクール審査会場へ。6年生32人の力作がズラッと並び、その出来栄えに目を見張った。「どの紙面も実に分かり易く、記事の内容もレベルが高い。レイアウトや色づかいもきれい」と話し、「授業時間を使って古墳を学ぶだけにとどまらず、各自で新聞をつくることによって自分が分かったことを人に見てもらおうとする試み。ふるさとの歴史学習と新聞づくりを合体させた、児童向けの素晴らしい取り組みですね」と、流ちょうな日本語で褒めていました。
 ミリアムさんは玄関で出迎えた担任の松岡由紀先生に、「6年生の皆さんに」と東京で買い求めたお菓子を贈っていました。私たち日本人より、日本の心を持ち合わせたフランス女性に出会いました。